Daily Break2

Daily Break2

役立つことわざ(抜粋・引用)

- 努力・忍耐・苦労 -
◇牛の歩みも千里
 何事も怠らず努力を続ければ、大きな成果をあげることができるということ。
◇艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)
 人間は、苦労や困難を乗り越えていくことによって、立派な人間になる。
◇惚れたが因果
 惚れたのだから、苦労するのもやむを得ない。好きになったのだからしかたがない。
◇楽は苦の種苦は楽の種
 楽は苦を、苦は楽を生じる。今楽をすると、あとで苦労しなければならず、逆に今苦労しておけば、将来は楽ができる。
◇若い時の苦労は買うてもせよ
 若い時の苦労は、将来必ず役立つから、自分から進んで苦労せよということ。

 

- 戒め・教訓・反省 -
◇人のふり見て我がふり直せ
 他人の言動を見て、自分の行いを反省し、改めよということ。
◇やさしい舌は命の樹なり
 やさしい言葉は、人生の大きな励みになることをいうこと。
◇世の取り沙汰は人にまかせよ
 世間の人は噂話を好むものだから、言いたい者には言わせておけばよいということ。
◇用心は臆病にせよ
 どれだけ用心してもしすぎるということはないのだから、臆病なくらい慎重にすべきだということ。
◇論語読みの論語知らず
 書物に書いてある内容、理論、理屈を理解するだけで、それを生かして実践できない人のたとえ。

 

- 人生・生死・成長 -
◇明日ありと思う心の仇桜(あすありとおもうこころのあだざくら)
 世の中や人生も明日はどうなるかわからないということ。明日をあてにしていると、せっかくの機会を逸してしまいます。
◇老いたる馬は道を忘れず
 人生経験の豊富な人は、物事の判断を誤らない
◇人生意気に感ず
 人は、相手の心意気を感じて仕事をするものであり、金銭や名誉のためにするのではないということ。
◇人の行方と水の流れ(ひとのゆくえとひとのながれ)
 水の流れて行く先と、人の行く末とはどちらもはかり知ることができない。人生の定めがたいこと、前途がどうなるかわからないことのたとえ。
◇瑠璃の光も磨きから(るりのひかりもみがきから)
 人間も、素質があっても努力しなければ大成しないことのたとえ。瑠璃が美しいのは、よく磨くからである。

 

- 信念・勇気・決意 -
◇朝題目に夕念仏(あさだいもくにゆうねんぶつ)
 定見や信念がないことのたとえ。朝恵比寿に夕大黒/朝観音に夕薬師
◇大勇は勇ならず(たいゆうはゆうならず)
 本当に勇気がある人間は、つまらないことで争ったりしないで、普段は勇気がないように見えること。
◇勇将の下に弱卒なし(ゆうしょうのもとにじゃくそつなし)
 大将に勇気があり強ければ、それに従う部下に弱い者はいないということから、上に立つ者が優れていれば、部下も優れているということ。
◇用心深さは勇気の大半である
 十分な用心をすることこそが、真の勇気ある行動だということ。
◇ローマは一日にして成らず
 大事業を成し遂げるには、長い間の努力の積み重ねが必要だということ。

 

- 希望・欲望・期待 -
◇水を乞うて酒を得る(みずをこうてさけをえる)
 希望していた以上の物を得たことのたとえ。
◇欲に頂きなし
 人間の欲望には限りがないということ。
◇来者は追うべし
 過去のことはいさめてもしかたがないが、これから先のことはまだ改めることができる。
◇隴を得て蜀を望む(ろうをえてしょくをのぞむ)
 一つの望みを遂げると、次の望みを抱くようになるということ。欲望には限りがないということのたとえ。
◇籠鳥雲を恋う(ろうちょうくもをこう)
 拘束されているものが、自由な境遇にあこがれるたとえ。また、遠い故郷を恋しがること。

 

- 健康・健全・長寿 -
◇予防は治療に勝る
 病気になってから治療するよりも、病気にならないように日々の生活習慣に気をつけることが大切だということ。何か問題が起こってからその処理に慌てるよりも、問題が起こらないようにすることが大事だということ。
◇流水は腐らず
 常に動いているものは腐らないということのたとえ。
◇楽は貧にあり(らくはひんにあり)
 貧乏なほうが、気楽に暮らしていけるということ。
◇六十の三つ子
 人は年老いていくと、幼い子供のように我がままになったり、妙に無邪気になったりする。
◇蓮華の水に在るが如し(れんげのみずにあるがごとし)
 世間の汚れに染まることなく、清廉潔白であること。蓮は泥水で育つのに、清らかな花を咲かすことから。

 

- 性格・人柄・態度 -
◇漆剝げても生地は剥げぬ(うるしはげてもきじははげぬ)
 持って生まれた素質や性格は変わらないということ。
◇世は情け
 世渡りには、お互いに人情や思いやりの心を持って助け合うことが必要であるということ。
◇理詰めより重詰め(りづめよりじゅうづめ)
 同じ「詰め」なら理屈ばかりよりも、おいしい重詰めの方がよいということ。
◇礼儀は富足に生ず(れいぎはふそくにしょうず)
 生活にゆとりがあると、人は自ら礼儀を重んじるようになるということ。
◇若きを師弟(わかきをしてい)
 若い者と接する時は、師匠が弟子に対するような親切な態度で接するのがよいということ。

 

- 感情・喜怒哀楽 -
◇腹の立つことは明日言え
 腹が立って怒りたくなった時は、がまんしろ。感情が高ぶるにまかせて怒ると、後悔したり、後で取り返しのつかないことにもなりかねない。
◇善く戦う者は怒らず、善く戦いに勝つ者は争わず(よくたたかうものはいからず、よくたたかいにかつものはあらそわず)
 戦うことに上手な人は怒らず、真に勝つことを知っている人は、争ったりしない。そういう人は、一時的な感情で行動しないということ。
◇喜びあれば憂いあり(よろこびあればうれいあり)
 良いことの後には、悪いことが起こりがちだということ。
◇呼ぶより謗れ(よぶよりそしれ)
 人の悪口を言うと、不思議なことに当人が現れることが多いので、用があれば呼びにいくより、悪口を言った方が早いということ。
◇世は七下がり七上がり(よはななさがりななあがり)
 人生には、何回も良くなったり悪くなったり、浮き沈みを繰り返すということ。

 

- 容姿・男女・老若 -
◇見目より心(みめよりこころ)
 人は容姿の美しさよりも、心の美しさの方が大切であるということ。
◇良き分別は老人に問え
 よい考えが浮かばない時は、経験と知識の豊富な老人に聞くのがよいということ。
◇六十の手習い(ろくじゅうのてならい)
 六十歳になって習い事を始めること。年をとってから勉強やけいこ事を始めること。
◇老婆心(ろうばしん)
 必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちを、へりくだっていうことは。
◇老驥千里の志(ろうきせんりのし)
 英雄は年老いても、元気が衰えないというたとえ。

 

- 無能・軽薄・愚者 -
◇横車を押す
 道理に合わないことを無理に押し通すこと。
◇理屈上手の行い下手
 理屈は達者だが、実行がともなわないこと。
◇利根却って愚痴になる(りこんかえってぐちになる)
 利発であることが、かえって失敗を招くことがある。小利口なのは愚かであるのと同じ結果を招くこともある。
◇ろくでなしが人の陰口
 役立たずのろくでなしほど、人の悪口を言って喜ぶということ。
◇労して功無し(ろうしてこうなし)
 苦労ばかり多くて、効果が現れないこと。

 

- 有能・無知・賢者 -
◇迷う者は道を問わず
 道に迷う者は、人に道をたずねないのと同じように、亡国の君主はひとりよがりで賢者に道を問わないから国を滅ぼすということ。
◇良医の門に病人多し
 名医のもとには、患者がたくさん集まるように、優れた師のもとには、弟子が多くやってくることのたとえ。
◇読むより写せ
 何度も読むよりは、一度書き写した方がしっかり覚えることができるということ。
◇流言は知者に止まる(りゅうげんはちしゃにとどまる)
 根拠のない噂は、愚かな者の間では広まるが、知恵のある者はつまらぬ噂を他人に話さないから、そこで止まってしまうということ。
◇論は無益
 議論は役に立たないということ。実行することが大事だということ。

 

- 後悔・心配・用心 -
◇案ずるより産むが易し
 物事は、実際に行ってみると、事前にあれこれ心配していたより案外たやすくできるものだということ。
◇死んだ子の年を数える
 今さらどうしようもない過去のことについて、愚痴をこぼしたり、後悔することのたとえ
◇用心は前にあり
 失敗しないように、前もって十分に用心すること。
◇用ある時の地蔵顔用なき時の閻魔顔
 何か頼みごとがあるときには愛想良くするが、用がない時は無愛想な顔をすること。
◇理に負けても非に勝て
 道理に負けても、不利な状態に陥るなということ。

 

- 弁舌・嘘・秘密 -
◇地蔵は言わぬがわれ言うな
 秘密の話をするとき、相手に口止めをするが、自分自身のほうがうっかりしゃべってしまうことが多いということ。自分自身の口には気をつけようという戒め。
◇謀は密なるを良しとす(はかりごとはみつなるをよしとす)
 たくらみごとをする場合、相手にそれが知られないほうがよい。重要な計画は、秘密のうちにおしすすめられないと、効果がない。
◇話の蓋は取らぬが秘密
 気をゆるしてうかつに人に話すものではないということ。
◇理屈と膏薬はどこへでもつく(りくつとこうやくはどこへでもつく)
 膏薬が体のどこにでもつけられるように、どんなことにでももっともらしい理屈をつけられるということ。
◇遼東の豕(りょうとうのいのこ)
 世の中では当たり前の物事を、自分だけが知っていると誇りに思って自慢するたとえ。

 

- 体裁・誇張・恥 -
◇生き恥曝しても死に恥曝すな(いきはじさらしてもしにはじさらすな)
 生きているうちに恥をかいても、死後に残るような恥をかいてはいけないということ。
◇問うは一旦の恥問わぬは末代の恥
 知らないことを聞くのは、その場では恥ずかしいものだが、聞かずに知らないまま過ごせば、一生恥ずかしい思いをしなければならないということ。
◇恥を知らねば恥かかず
 恥ずかしいことを知らないことが、いちばん恥ずかしいことだということ。
◇葦の髄から天覗く(よしのずいからてんのぞく)
 自分の狭い知識や経験に基づいて物事を判断することのたとえ。葦の茎の細い穴を通して天井を見て、それで天井の全体を見たと思い込むこと。
◇論に負けても実に勝て
 議論に負けても、実利的な得をしたり、有利な立場に立った方が賢明だということ。

 

- 恋愛・愛情・男女 -
◇愛多き者は即ち法立たず
 上に立つ者が愛情をかけすぎると、下の者がそれに甘え、法が乱れるということ。
◇合縁奇縁(あいえんきえん)
 人と人とのつきあいや男女の仲で、お互いに気心が合うか合わないかは、縁によるということ。
◇屋烏の愛(おくうのあい)
 人を深く愛すると、その家の屋根にとまった鳥さえ好きになるということ。愛情の深いことのたとえ。
◇盗人の番はできるが、娘の番はできぬ
 盗難予防の番は気を配りさえすればよいのだから、誰にもできるが、娘がよその男に心を奪われてしまうのを、防ぐことはできない。
◇惚れて通えば千里も一里
 惚れた相手の所へ通うときは、遠い道も近く感じられて苦にならない。

 

- 友情・仲間・近所 -
◇犬も朋輩鷹も朋輩(いぬもほうばいたかもほうばい)
 同じ主人に仕えるものは、身分は違っていても同僚であることには変わりないことのたとえ。
◇お山の大将俺一人
 仲間うちや狭い範囲の中で一番になり、得意になっている人のこと。
◇君子は周して比せず小人は比して周せず
 君子は広く公平に人親しむが、小人は気に入った仲間とだけ親しみがちである。
◇とかく近所に事なかれ
 近所に問題があれば、自分にも何か影響があるかもしれないので、何事もおきない方がよいということ。
◇目高も魚のうち(めだかもととのうち)
 メダカのような小さな魚でも、魚に違いない。どんなちっぽけなものでも、その仲間の一つに違いないことのたとえ。

 

- 夫婦・親子・家庭 -
◇牛は牛づれ馬は馬づれ
 似た者同士が自然に集まること。また、似た者同士が連れ添えば、調和がとれてうまくいくというたとえ。
◇貸し借りは他人
 金銭の貸し借りがもとで、親子兄弟でも他人同様の冷たい仲になることがあるということ。
◇血は水よりも濃し(ちはみずよりもこし)
 親子・兄弟など血のつながりのある間柄は、他人との関係よりも結びつきが強いということのたとえ。また、人の性質は、遺伝によるものが大きいということ。
◇夫婦喧嘩は犬も食わぬ
 夫婦喧嘩はその時だけですぐ仲直りするから、他人が仲裁などするものではない。
◇嫁を貰えば親を貰え
 嫁を貰うときは、その親の人柄を見ると良いということ。

 

- 弟子・主従・奉公 -
◇命あっての物種(いのちあってのものだね)
 何事も命あってこそできることで、死んでしまっては何にもならないということ。
◇縁の下の力持ち
 人目につかないところで努力、苦労すること。またはそのような人
◇船頭多くして船山に上る(せんどうおおくしてふなやまにのぼる)
 指図する人が多くて統一がとれず、物事がとんでもない方向に進んでしまうこと。
◇他人の飯を食う
 親元を離れ、他家に奉公するなどして、多くの人にもまれていろいろな実体験を積むこと。
◇奉公人に使われる(ほうこうにんにつかわれる)
 人を使う立場というのは、何かと気を遣うことが多く、かえって人に使われているようなものだということ。

 

- 協力・相談・敵味方 -
◇合従連衡(がっしょうれんこう)
 時流を読み、その時々の利害に応じて、互いに協力したり離反したりすること。
◇呉越同舟(ごえつどうしゅう)
 仲の悪い者どうしが同じ場所に居合わせること。また、敵同士でも共通の困難や利害に対して、協力し助け合うこと。
◇世は相見互い(よはあいみたがい)
 この世は、人と人が助け合って成り立っているということ。
◇良弓は張り難し(りょうきゅうははりがたし)
 優れた人材を使うのは難しいが、使い方がうまければ才能が十分に発揮され、大きな成果を挙げることができるということ。
◇蝋燭は身を減らして人を照らす(ろうそくはみをへらしてひとをてらす)
 自分を犠牲にして、人のために尽くすことのたとえ。

 

- 喧嘩・別れ・憎悪 -
◇兄弟は他人の始まり
 仲の良い兄弟でも、利害関係や結婚などによって、情愛が薄れ、他人のようになるということ。
◇覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)
 一度別れた夫婦は、元通りにならないというたとえ。また、一度したことは、取り返しがつかないというたとえ。
◇良い弁護士は隣人である
 有能な弁護士も、隣人としては交際しづらい。
◇両方立てば身が立たぬ
 二つの対立するものの一方によくすれば他方が不満に思うし、両方によくすれば自分の立場を失ってしまうということ。
◇理なければ僻む(りなければひがむ)
 自分の非を指摘された時に、道理が立たなければ非は認めるが、僻んで相手を恨んでしまうということ。

 

- 感謝・恩情・報恩 -
◇下衆の逆恨み(げすのさかうらみ)
 心の卑しい者は、好意で忠告してくれた人に感謝しようとしないで、かえって相手を恨む。
◇大恩は報ぜず(たいおんはほうぜず)
 小さな恩義は感謝するが、あまり大きな恩義はかえって気付かずに過ごされてしまうということ。
◇礼勝てば即ち離る(れいかてばすなわちはなる)
 礼儀にこだわりすぎると、かえって人と人との関係が堅苦しくなり、互いの心が離れていくこと。
◇礼も過ぎれば無礼になる
 礼儀も度が過ぎると相手に無礼になるので、程度をわきまえることが大切だということ。
◇礼は急げ
 謝礼や返礼は延ばさないで、できるだけ早くすませておくほうがよいということ。

 

- 成功・出世・処世 -
◇勤勉は成功の母
 人生を成功しようとするなら、勤勉であれということ。
◇鶏口となるも牛後となる勿れ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
 大きな集団で人のあとにつくよりも、小さな集団でもよいからその頭となれという意。
◇先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)
 他人よりも先に物事を行えば、有利な立場に立てるということ。
◇世の中流れ渡り
 世間をうまく渡るには、流れに逆らわず、成り行きにまかせるのが良いということ。
◇寄らば大樹の蔭(よらばたいじゅのかげ)
 身を寄せるなら、大きな木の下が良いということから、頼るならば、勢力の大きなものに頼るほうが良い、というたとえ。

 

- 金銭・実利・裕福 -
◇養生に身が痩せる(ようじょうにみがやせる)
 養生のためにお金を使い過ぎて苦労し、かえって痩せてしまうこと。
◇利を思うより費を省け
 利益を追求するより、まず無駄な出費を省くことを考えよ。
◇利を見て義を思う
 利益を得るとき、それを得るのは正しいかどうかを考える。
◇猟師山を見ず(りょうしやまをみず)
 一つのことに夢中になって、他の事が見えなくなるということ。また、利益を追求し、道理を失うこと。
◇利は天より来たらず
 利益は、天から降ってくるものではない。自らが努力して得るしかないということ。

 

- 衣食住・生まれ育ち -
◇夜の錦
 夜中に美しい錦を着て歩いても、誰も気づかないことから、効果がなく無駄なことのたとえ。
◇蓬に交じる麻(よもぎにまじるあさ)
 善人でも、育つ環境や、付き合う友人が悪いと、悪に染まってしまうということ。まわりのヨモギにつられて曲がりくねった麻のことから。
◇藍田玉を生ず(らんでんぎょくをしょうず)
 優れた家系から、優秀な子が生まれることのたとえ。
◇流浪して主のありがたさ(るろうしてしゅのありがたさ)
 失業し、衣食住に苦しんではじめて、昔お世話になった雇用主の有り難さがわかる。
◇ローマではローマ人のようにせよ
 今暮らしている土地の習慣や風俗に従うのがよいということ。

 

- 病気・困窮・助け -
◇四百四病より貧の苦しみ(しひゃくしびょうよりひんのくるみし)
 人間がかかるどんな病気よりも貧乏のほうがつらいということ。
◇他人の疝気を頭痛に病む(たにんのせんきをずつうにやむ)
 自分とは関係のない物事についてよけいな心配をすることのたとえ。
◇一に看病二に薬(いちにかんびょうににくすり)
 病気の治療には、薬は大切だが、周囲の心のこもった看病のほうが重要であるということ。
◇楽は身の毒
 安楽な生活を続けると不摂生となってしまい、かえって健康を損なうということ。
◇禍は口より出て病は口より入る(わざわいはくちよりいでやまいはくちよりはいる)
 病気は飲食物への不注意から、災いは不用意な言葉から生じる。ものを言うときは慎重にせよという戒め。

 

- 戦略・計画・方法 -
◇転ばぬ先の杖
 前もって準備や用心をしていれば、失敗することがないというたとえ。
◇小異を捨てて大同につく(しょういをすててだいどうにつく)
 わずかな意見の違いがあっても、重要な点が一致している意見に従うこと。
◇寄り合い事は多分に付け
 何事も大勢の意見に従っていれば、無難であるということ。
◇夜鷹の食だくみ(よたかのじきだくみ)
 不相応なことを計画することのたとえ。また、計画倒れになることのたとえ。
◇櫓櫂の立たぬ海もなし(ろかいにたたぬうみもなし)
 どのような困難であっても、まったく方策がないということはない。最後まであきらめないで、あれこれ考えなさいということ。

 

- 教育・知識・知恵 -
◇氏より育ち(うじよりそだち)
 家柄身分よりも、育った環境や教育のほうが、人格形成に強い影響を与えるので大切であるということ。 
◇性相近し、習い相遠し(せいあいちかし、ならいあいとおし)
 人は生まれながらもっている性質にはあまり差はないが、その後の習慣や教育の違いによって、大きな差ができてくるということ。
◇知恵は小出しにせよ
 一度に自分の知恵を全部出してしまってはいけない。その場に合わせて少しずつ出していくのがよいという教え。
◇良工は材を選ばず(りょうこうはざいをえらばず)
 すぐれた技術の持ち主は、材料の良し悪しにかかわらず、その腕でよいものを作るということ。
◇利は高声によらず(りはこうしょうによらず)
 道理は、大声で主張すれば通るというものではない。

 

- 郷里・土地・風俗 -
◇預言者郷里に容れられず(よげんしゃきょうりにいれられず)
 すぐれた人物も、幼少の頃から身近に成長していく姿を見ていた人にとっては、普通の人としか思えず、それほど高く評価・理解されないものであるということ。
◇楽隠居楽に苦しむ(らくいんきょらくにくるしむ)
 楽隠居はすることが何もないので、かえってつらいものである、ということ。
◇立錐の地なし(りっすいのちなし)
 錐(キリ)を立てるほどの、わずかな土地もないことから、人や物がぎっしり詰まっていて、わずかの隙間もないこと。
◇ローマは一日にして成らず
 大事業を成し遂げるには、長い間の努力の積み重ねが必要だということ。
◇籠鳥雲を功う(ろうちょうもくをこう)
 拘束されているものが、自由な境遇をあこがれるたとえ。また、遠い故郷を恋しがること。

 

- 地位・権力・繁栄 -
◇人の情けは世にありしほど
 世の中の人が好意を示すのは、地位や権力があるときだけである。落ちぶれれば寄り付きもしなくなる。
◇泣く子と地頭には勝たれぬ(なくことじとうにはかたれぬ)
 道理の通じない者や権力のある者と争っても、勝ち目がないということ。
◇乱を以て治を攻むる者は滅ぶ(らんをもってちをせむるものはほろぶ)
 乱れている国が、よく治まっている国を攻めても、負けてしまい、滅びるということ。
◇乱世の英雄(らんせいのえいゆう)
 平和な時なら賊とされるが、世の中が乱れているときは英雄となる人物。
◇乱君有りて乱国無し(らんくんありてらんごくなし)
 国が乱れるのは、国を乱す君主がいるからである。国を乱すのは、よくするのも、君主によるということ。

 

- 礼儀・道徳 -
◇衣食足りて礼節を知る
 人は、生活が楽になってはじめて、礼儀に心を向ける余裕ができてくる。
◇盗人にも仁義あり(ぬすびとにもじんぎあり)
 盗人のような悪事をする者同士でさえ礼儀を失わない。
◇反哺の孝(はんぽのこう)
 子は親に対して、礼儀と孝行とを重んじなければならないということ。
◇礼は之和をもって貴しと為す(れいはこれわをもってとうとしとなす)
 礼儀の意義は、人と人との関係を調和させることである、ということ。
◇礼に始まり乱に終わる
 礼儀正しく始まった宴会も、終わりの頃になると乱れてしまうものだということ。

 

- 危機・災難・悪事 -
◇弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ)
 弱っている時に、さらに困ったことが起きることから、不運の重なることのたとえ。
◇淀む水には芥溜まる(よどむみずにはごみたまる)
 人材も新しく入れ替えないと、活気がなくなって人心の腐敗を招きやすくなるというたとえ。
◇理屈張るほど理に合わぬ(りくつはるほどりにあわぬ)
 理屈を押し通そうとすればするほど、道理から遠のく、ということ。
◇力は貧に勝ち、慎は禍に勝つ(りょくはひんにかち、しんはかにかつ)
 努力すれば貧乏に打ち勝つことができ、言行を慎めば災難から逃れることができるということ。
◇例外のない規則はない
 どんな規則にも、それを適用できない例外が必ずあるということ。

 

- 無理・無駄・失敗 -
◇善く泳ぐ者は溺る(よくおよぐものはおぼる)
 人は自分の得意とすることでは、かえって失敗しやすいということ。
◇理が非になる
 道理に合っていることが、説明不足や相手の考えなどで、誤ったことにとられてしまう。。
◇理外の理
 普通の道理や常識では説明のできない道理。「理」は物事の筋道。
◇綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)
 出た汗が体内に戻らないように、君主の言葉は一度発せられたら、取り消すことができないということ。
◇竜を描きて狗に類す(りゅうをえがきていぬにるいす)
 素質や力量の劣る者が、優れた人物の真似をして失敗すること。また、大きなことをしようとして失敗することのたとえ。

 

- 勝負・優劣・比較 -
◇敗軍の将は兵を語らず
 戦争で負けた将軍は、兵法について発言の資格はない。失敗した者は、そのことについて意見を述べる資格はない。
◇良い花は良い実を持たぬ
 ある面が秀でていても、他の面では劣るものがあるということ。
◇理を以って非に落ちる(りをもってひにおちる)
 道理の上では正しいのに、実際には不利な立場に置かれていること。
◇理に負けて非に勝て
 道理に負けても、不利な状況に陥るなということ。
◇理に勝って非に落ちる
 理論で勝ちながら、実際には負けとなる。